高2芸術鑑賞会「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」
2019.06.04
今年度の芸術鑑賞の演目は、東京演劇集団「風」による「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」でした。
この原作者マテイ・ヴィスニユックは、チャウシェスク政権下の1956年ルーマニア生まれといいますので、モントリオール五輪で活躍したナディア・コマネチと同国人同世代です。
ヴィスニユックは87年、フランスに亡命し、現在、氏の作品は世界約30カ国で上演されており、2014年には権威あるジャン・モネ・ヨーロピアン賞を受賞しています。
本日のこの作品は、なんと、同氏の、東京演劇集団「風」への書き下ろしになるもので、この世界的な戯曲作家が書き下ろしを提供するところに、この演劇集団の実力を垣間見ることができます。
さて、本学芸術鑑賞委員会としては、何か人生の機微に触れる、あるいは物を考えるきっかけとなるプログラムの提供を心がけておりますが、本作はまさにこの趣旨にかなった素晴らしいものでありました。
約2時間の本作を観劇して痛感させられたことは、この演劇集団のパフォーマンスが観劇者の五感を刺激する、それゆえに、物を考えさせられる、否、考えざるを得ないといった状況に、いつの間にやら陥っているということです。
また、これは終演後、楽屋へお礼の挨拶にお伺いした際、劇団の方々より仰って頂いたことですが、本校生の鑑賞態度が誠に素晴らしく、感激のうちに演じられたとのことでした。
手前味噌を承知で申し上げれば、確かに本作の観劇には「素養」を要するのは否めないところでしょう。
それが備わっているところ、流石に本校の俊英たちだなと思わされました。
今更ながらに、(これは教壇を舞台に例えれば、私共も同様ですが)同声相依り、同気相求む、といったところでしょうか。
いずれにしても、再度、今回の観劇を反芻し、自らの越し方行く末を考えることがあっても良いように思われます。
「風」の皆様、大変にありがとうございました。益々のご活躍を心からお祈り申し上げます。
高校2年